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第9回目の「ダンドリスト」は、「エンジニアリングのダンドリスト」・米澤徹也さんです!
今回は、ヒューマンデザインオーソリティ代表取締役 兼 COOとの対談形式にて、米澤さんの「ダンドリ」について解き明かしていきます!

ヒューマンデザインオーソリティ吉山勇樹、米澤徹也さん

エンジニアリングへのダンドリ(全体像の把握)

吉山:こんにちは。今日はエンジニアリングのダンドリスト、米澤徹也さんにお越しいただきました。
米澤さん、よろしくお願いします。まずは自己紹介も兼ねて、米澤さんが普段どのようなお仕事に携わっているのかお聞かせ頂けますか。

米澤:私は現在、プラント建設を事業ドメインとする東洋エンジニアリングという会社に属しております。プラント建設という言葉は、我々の業界に関わっている方でないと、なかなか馴染みがないかもしれませんが、簡単に言うと「工場を建設する」という意味です。また、私どものような企業はエンジニアリング企業とも言われています。仕事のサイクルも、「プラントの設計→機材の調達→現地への輸送→建設の実施」という形でPDCAを回しています。
一般の方はいわゆる建設というと、ビルの建設などをイメージされると思いますが、プラント建設では石油化学コンビナートなど、構造が複雑かつ規模も大きなものをエンジニアリングしています。

吉山:では、米澤さんはどういった部門を担当されているのでしょうか?

米澤:東洋エンジニアリングに入社後10年ほどプラントの設計を担当していました。その後、プロジェクト部門でプロジェクトマネジメントを10数年担当して、現在はプロジェクト管理部という部署で、特にコストエンジニアリングを担当しています。

吉山:なるほど。仕事の中で当然の如くプロジェクトマネジメント(PM)が存在し、日々PMを実行されている、まさにそのような仕事の進め方が身に染み付いていらっしゃるのですね。実際に長期間プロジェクトマネジメントに携わっている米澤さんにとって「段取りのいい人」あるいは「プロジェクトマネジメントができる人」というのは、どのような人なのでしょうか。

米澤:全体像を把握し、問題解決がきちんとできている人ですね。
私が大規模プロジェクトに長年関わってきてひしひしと感じていることなのですが、どんな規模の小さいプロジェクトにおいても問題というのは起きないわけがないですよね。
そこで問題を解決するためには、全体像の把握が不可欠なのですよ。

エンジニアリングのダンドリ(WRS=作業分解図の作成)

吉山:全体像の把握をするためには、当然しっかりとした段取りが必要になってきますよね。

米澤:そうですね。一般的にはプロジェクトでは、計画段階が重要になってきますね。具体的にはWBS作成、すなわち共通言語の生成・「作業の見える化」ということが基本になります。ですが、昔はWBSなどを作成もせずに、プロジェクトマネジャーが自分のペースで経験則に基づいてやっている場合が多かったんですよ。
プロジェクトマネジャーの経験が豊富だったりする場合は特にその傾向が強かったですね。
最近でこそWBSを社内でもきちんと作成する傾向になってきました。
ただ最近では、国内海外のパートナーと一緒に複数の会社でひとつのプロジェクトを実行するケースが増えてきており、WBSをきちんと作成する必要性が増してきました。そうなるとプロジェクトマネジャーの勘だけでは通用しなくなるのです。
だからこそWBSを作成して、共通認識を醸成することが基本になってくるのです。
そのような動向が起因して、WBSを作成してからスケジュールを考えていくということは、少なくとも海外のプロジェクトでは当たり前になってきましたね。
一方で日本は、WBSの作成というのはまだまだ「当たり前の作業」という形で定着していないのではないでしょうか。先日、ある顧客企業にて、プロジェクトマネジメントに関する講演を行ったのですが、「WBSって何?」というような現場の方が多かったのです。(笑)日本でもWBSの有用性をもっと訴えるべきですよね。

吉山:私もまったくその通りだと思います。
最近はWBSを書くことが業務になってしまうという悩みを色々な企業からお聞きするのですが、これは明らかに目的と手段を履き違えてしまっていますよね。あるいは、そのWBSがMECEになっているか、プロジェクトメンバー間での共通認識ができているかということなどについては一切検証されない企業もあるようです。

米澤哲也氏 米澤:WBSを作ることが目的になってしまっているのはもったいないですね。WBSはプロジェクトの計画段階でのツールの1つでしかないということがわかっていないのでしょうね。吉山さんがおっしゃったように、手段と目的を混同させてしまっていますね。
10年くらい前になりますが、海外でのプロジェクトを国内の複数の会社と共同で実施したことがありました。他社はWBSについてあまりなじみが無かったようで、各社を駆けずり回ってWBSを完成させましたが、WBSを作ることによって分かっているようで実は意外と明確にはなっていなかったスコープを見える化することにより、共通認識として全員で共有することができました。始めての当該システムのWBSを見て、各社とも満足されている様子でした。なぜWBSを作ったかというと、一義的にはそれが顧客からの要求事項にあったからですが、WBSをベースにスケジュール作成等の計画作業をスムーズに行うことができました。ただ、そのプロジェクトは顧客の国の経済情勢などの要因により途中でキャンセルになったのが非常に残念でしたが。
この例に見られるように、私はWBSを作成して終わりではないということを身にしみて感じています。
共通認識を作る上で難しい所ですね。

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