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吉山:今回は、「リクナビ」をはじめ、「就職ジャーナル」、「ケイコとマナブ」など、リクルートの多岐にわたるメディア編集長を約10年間努め、現在は独立し、人材活性化コンサルタントしてご活躍されている前川孝雄さんをお迎えしました。
前川:よろしくお願いいたします。
吉山:「働く」ということは、長い人生の中で、生活を営む上で、必要不可欠のテーマかと思いますが、ゼロベースから、学生時代に「働く」を段取りしようとした場合に、何からやればいいのでしょうか?
前川:まず働く目的が何なのか、学生時代には簡単にわからないと思います。それをイメージするところから入ったほうがいいです。エントリーシートの書き方、模擬面接、グループディスカッションの演習ばかりに注目されがちですが、そもそもの働く目的のイメージが出来ていないまま進めていくと、「何のために自分は頑頑張っているんだろう?」という気持ちになり、いずれ迷走してしまいます。だからこそ、働く目的をイメージするところから、努力することが大事だと思います。
吉山:イメージの入り口としては、一定の職種とか、一定の職業をきっかけにしたほうがいいのでしょうか?
前川:私は、働く目的のイメージの入り口は、なんでもいいと思っています。身近なところから入ればいいんですよ。例えば、アルバイト。アルバイトでやっている仕事だけじゃなくて、その中で社員として働いている人たちに、「仕事の何が面白くて、何が面白くないのか」を聞いてみることも一つの方法だと思います。
多くの大人に「仕事」や「働く」ことに関して聞いてみればいいんですよ。一番身近なところで言えば、親ですよ。働いているお兄ちゃんや、お姉ちゃんがいれば、聞いてみることもいいですね。いたるところから、まずは大人に働くことを教えてもらうということが、大切だと思いますね。
吉山:なるほど。いろんな人に、聞くことによって、見えてくる世界があるということですね。
仕事の段取りに関しても、同じことがいえると思いますが、まずは全体図をイメージしてから、取り組むことが大事なんですね。
吉山:それでは、すでにある程度働いてきた若手社員にとって「働く」を段取りしようとした場合はいかがでしょうか?
前川:結論から言うと、先ほどのお話と同じなんですよ。「学ぶ」の語源は「まねぶ」ですよね。自分よりも、職務経験が豊富な先輩や上司の表層的には見えてこない仕事に対する「思い」を聞くことから全ては始まると思います。業務の話はいったん置いといて、今の仕事で何が面白いとか、今までの経験の中で、どういう転機があったとか、その転機をどう活かして、今に至っているのか。というような話をざっくばらんに聞く。
その中で、この人のこの部分をまねぼうというのが、いくつか出てきて、それをミックスして最終的に働く自分らしさを形成していくことに繋がっていくと思います。
吉山:なるほど。最近、若手社員が一人で抱え込んで、相談したいことや、聞きたいことがあるにも関わらず、コミュニケーションの取り方がわからなくて困っているというお声もいただきますが、職場コミュニケーションのアドバイスがありましたら教えていただけますか?
前川:若手で成長する、伸びる人間にとって何が一番必要なものは「かわいげ力」なんですよ。かわいがられる力が必要ですね。かわいいやつだと思われるだけで、必要以上に、おせっかいな先輩が教えてくれるんですね。ただ「かわいげ力」を勘違いして、ごま擦りだとか、上司の言うことに何でも従うイエスマンになればいいと思う人も
いるかもしれませんが、それは違います。
「かわいげ力」を定義すると二つあります。一つは目の前の仕事に一生懸命にやるということですね。二つ目は、素直ということですね。その二つがあれば、かわいいんですよ。
水泳の北島選手が「なんもいえねぇ」という言葉をオリンピックで金メダルを獲得したときに言いましたよね。それを見て、感動した人って多いですよね。それは私たちが、北島選手の一生懸命にやっている姿を見たから応援したいって思えたんですよ。共感を呼び、応援される人になるということだと思います。
素直については、ありのまま、真っ直ぐに、人の意見を受け入れてみるということですね。これは、簡単そうで、なかなか難しいことなんですよ。今の若い人は、他者の違う価値観を受け入れることが苦手な人が多いです。でも、それを一度、取り払ってみて、相手の言うことは「何をいいたいんだろう」とか、 「聞いてみたら価値があるはずだから、最後まで聞いてみよう」というような形で受け入れてみることが大切だと思います。私は、「かわいげ力」、これが成長する上での一番の前提条件だと思っています。
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