第19回目の「ダンドリスト」は、一流V.I.Pのための会員制個室ラウンジ・シェフソムリエの山中真さんです。
ヒューマンデザインオーソリティ代表取締役兼COO・吉山 勇樹との対談形式にて、山中 真さんの「ダンドリ」について解き明かしていきます!

山中 真さん、ヒューマンデザインオーソリティ吉山勇樹

■ワインコミュニケーションのダンドリ@(ワイン文化との出会い)

山中真さん 吉山:今回は、一流V.I.Pのための会員制個室ラウンジ・『MAJESTIC Priv』のシェフソムリエの山中真さんをお迎えしました。
「ワインコミュニケーションのダンドリスト」として、ワインを通じてのコミュニケーションの極意をお伺いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

山中:よろしくお願いいたします。

吉山:さっそくですが、シェフソムリエといえばワイン。山中さんとワインとの出会いを含め、現在のお仕事をご紹介いただけますでしょうか。

山中:はい。まず現在の仕事ですが、この『MAJESTIC』のシェフソムリエを任されています。また、依頼があればワインスクールの講師や、新店舗を立ち上げるときにワインリストを作成するといったディレクターソムリエもしてい ます。ワインリストを作るにあたっては、そのお店の料理との相性や、客単価、近隣のお店がどういうワインを出しているのかを考えながらバランスのいい ワインリストと仕入先の紹介を行うといったマーケティング的なことも主な仕事ですね。

吉山:なるほど、幅広くワインに携わっていらっしゃるのですね。

ヒューマンデザインオーソリティ吉山勇樹 山中:そうですね。ここで、なぜ私がワインにこだわるか、ということをお話したいと思います。
もちろん、ワインが好きだからということが前提ですが、ワインには7000年の歴史があります。世の中にお酒はたくさん種類がありますが、その歴史はせいぜい2ー300年です。 7000年の歴史の中で、ワインは世界中でつくられ、世界中の人が愛している、人類が最も長く愛してきたお酒であるといえます。

ですが、日本人はまだまだワインを飲んでいません。現在1年間あたりの日本人のワインの年間平均消費量は2本ぐらいです。飲まない人が圧倒的に多いのです。
私は、これほど人類が愛し続けてきたワインがどんなに素晴らしく、おいしいものであるか、ということを一人でも多くの方に知って頂きたいのです。

吉山:最近、「自分のやりたいことを見つけられない」とか、「本当に好きなものが何かわからない」と思っている若い人たちは少なくありません。ワインに対してそこまで熱い 思い入れがある山中さんがうらやましい、と思う読者も多いと思います。
どうやったら本当に好きなものに出会うことができるのでしょうか。

山中:そうですね。私は16歳でワインに出会い、その魅力にとりつかれ、もっともっとワインのことを知りたいと思うようになりました。
しかしながら、高校1年生がワインの勉強をしたくても環境がないのです。
未成年ですからね。今だから言えることですが、16歳でワインバーで働かせてください、といっても断られました。1週間通い続け、「給料はいりません、皿洗いでいいので働かせてください!」と必死に懇願して、やっと働かせてもらうことができたのです。
朝までバイトして、そのあと高校へ行って、という生活でした。
授業中も、教科書の間にワインの本をはさんでワインの勉強していましたね。

吉山:ワインへますますのめりこんでいって、疑問をどんどん掘り下げていったんですね。

山中:ええ。それで7000年の歴史があること、世界中の人が関わっていて、そして今までこれをおいしくするためにのべ何億人が関わってきたのかわからない、ということを知りました。

またこれはぜひ知っていただきたいことなのですが、現在私たちは、7000年の歴史の中で一番おいしいワインを飲んでいるのです。
昔は「ワインには旅をさせてはいけない」ということわざがありました。
というのも、ワインはちょっとした温度変化や震動でだめになるからです。輸送体制が整っていなかったので、ワインの状態がどんどん劣化しておいしいものが飲めなかったわけです。

今、日本人が本気でワインを好きになれば、世界中に10万種類あるといわれているワインを日本に集めることができるのです。日本はそんなことができる唯一の国なのです。
私は、この仕事を通じてそんな状況を実現させたいと常々考えています。

吉山:その実現に向けて、山中さんご自身はどのようなアクションをしていこうとお考えなのでしょうか。

山中:ワインスクールの講師を務める、いろいろなお店を手伝う、ワインに関する本を書く、といったことはもちろん、非営利でワインの講習会もしたいと思っています。
それらの取り組みを通じて、日本でワイン文化を広めることに尽力していきたいですね。
これが、ワインによる「全人感動」です。
これは16歳のときにワインに出会ってから今に至るまで、私の一貫したブレないテーマです。


■社内ベンチャーのダンドリA(時間管理)

山中真さん 吉山:今までの接客において、V.I.Pの方々が喜んでくれたエピソードなどをお聞かせいただけますでしょうか。

山中:たくさんありますね。一番嬉しいのは、「ワインは苦手だったけど君のおかげで好きになったよ」と言ってくださることです。 ここにきたお客様が、ワイン好きになってくださったということが何よりも嬉しいですね。

吉山:「ワインがきらいだったけど好きになった」というのは、それは何がきっかけでそうなったのでしょうか。単純にそのワインがおいしかったから、でしょうか。

山中:もちろんそれもありますが、お客様が持っていらっしゃるワインに対する悪いイメージを私が「壊して」いるからだと思います。

吉山:悪いイメージを壊す、とは、そういうイメージを払拭するということですか。

山中:はい。私のなかで、ワインを好きにするためのステップがあるのですがまずワインに対する悪いイメージを払拭していきます。
どういうイメージがあるかというと、まず第1にワインは非常に難しい。第2は自分は味覚嗅覚が鈍いという思い込み。第3は、ワインというものに対する嫌味といいましょうか、スノビッシュなイメージ。
第4はこういう店にくればくるほどなのですが、ワインは高そう、と同時に安いのはまずそう、というイメージです。
私からすれば、どれも「思い込み」なのです。だから、このあたりを全部壊していくんですね。

吉山:具体的にどのようなアプローチで「壊して」いくのか、お聞かせいただけますでしょうか。

山中:まず、「ワインは全然難しくないのです」とご説明します。
次に味覚嗅覚が鈍いという思い込みについてなのですが、実は、ソムリエと一般の方というのは、味覚・嗅覚は変わらないのです。私が特別に鋭敏な味覚、天才的な味覚をもっているからソムリエをやっているわけではないのです。

吉山:そうだったのですか!それは意外でした。

山中:人間の味覚は平等で、子供が多少鋭敏な味覚をもっていることがあるかもしれませんが、大人になると味覚嗅覚は変わりません。
ですから、味覚嗅覚の差があるとしたら、「意識して」飲んでいるかどうか、の違いだけなのです。
皆さんも意識して飲めばワインの味を覚えることができると思います。
あと、一度おいしいワインを飲んで頂き、「味の基準」をつくっておくことがお勧めです。

吉山:基準というと、どのようなイメージをすればよいですか。

山中:一度おいしいものを飲まないと自分の中で「ものさし」ができないんですよ。
例えば日本人はお米を食べていますが、それほど意識していなくてもうまい米かまずい 米かはわかるでしょう。それは日本人のなかで「米の標準」があるからです。
自分のなかで「基準」ができあがれば、ワインが難しいという思い込みもなくなるし、味 覚や嗅覚が劣っているから飲む資格がないのだというような思い込みもなくなります。
ご飯と一緒で日常的なものなんですよ、ワインって。
決してスノビッシュなものではないのです。

私の頭の中のデータですが、世界中の人が飲んでいるワインは、99%が1000円未満の ものだと思います。800円、900円のワインでも充分おいしいのです。

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